実は意外と多い?!留学したのに現地就職できない?!

憧れの海外留学!そして英語に、授業に、課題に苦しみながらもようやく卒業〜!次は就職して憧れの海外でのオフィスでバリバリ頑張るぞ!

そんな風に多くの留学生が夢を描いていると思いますが(私もそうだった)実は専門を学んだのにその分野で就職ができないことがあるんです!!!

学校のメジャーを決める前に必ず確認しておきたいこと!!!
卒業して後悔の嵐の真っ只中の私から過去の私に言っておきたいこと!
皆さんは必ず留学でコースを決める前に絶対チェックしておいてくださいね。

※私の経験と見聞きしたことなのでこれがカナダ全体!みんなそう!というわけではありませんので一つの意見としてお聞きください。

その専門(メジャー)は本当に大丈夫!?

噂や流行りに流されるのは要注意!経験から思うこと

甘い言葉に夢見るのは危険!SNSやネットを鵜呑みにしない!

Twitterやネットでも「未経験からの就職」という言葉がチラホラ目にするたびに「意外といけるかも?」という期待を寄せちゃいますよね。

でも、ちょっと待ったー!!!!

心の底から言いたいのは「留学して未経験から就職できた」人たちはとってもラッキーな方達!(もちろんご本人の並々ならぬ努力もありますが)

Twitterやネットでは語られていない「専門で就職できなかった留学生」たちがわんさかいることを忘れてはいけません。

英語ペラペラで文化もよく解っているネイティブですらすぐに就職できない人がいる中で、英語が多少喋れて、技術も知識も出来立てほやほやな人がすぐに就職できるほど甘くはないです。

その専門で大丈夫?しっかり自分と合ってるか見極めよう!

留学する際に決める専門コース。悩みますよね。
どうやって専門分野を決めていますか?もし永住権を考えているなら、永住権が取りやすい分野というのが候補に上がってくると思います。

私もまさに「ITフィーバー」に乗っかり、Webデザインなど幅広く学べるInteractive Media Designというコースを選びました。

本当はグラフィックデザインを学びたかったんですが、グラフィックデザインコースは3年。。。私は日本で未経験からグラフィックデザイナーをしていて紙業界がどんどん縮小しWEBに移行しているのも肌で感じていたので、「きっとこれも運命!」留学してその知識と技術を広げれば就職もできるかな?なんて甘い想像をしていたんです。。。

でも気づいたんです。。。デザインを仕事としてやってたけど、そんなにデザイン大好きってほどじゃない。仕事以外では年賀状すら作らない。いつもこれで良いのか悩んでいた。自分のデザインセンスに自信がない。

でも永住権にはITは有利と聞いてその「気づき」を無視してたのが大間違い!

しかもコースはコーディングが大半を占めるものだった。。。私が想像していたWebデザインはソフトを使ってスイスイやるものだったので授業初日から画面いっぱいのコードを打たされた時には顔面蒼白、涙目になりながら脳みそが爆発しました。(これが2年続きました。。。)

卒業ギリギリまでドタバタでした

「流行り」=いろんな国からもそれを狙ってくる人がいる

Study abroad

カナダではIT系はここ数年ずっと永住権を取るのに有利と言われている業界。それは世界中のカナダに留学したい!永住権を取りたい!と思っている人たちが知っていること。

そしてその中には「英語がペラペラ」「すでに母国で経験がある」人たちもわんさか含まれていることを忘れてはいけません。

もちろん未経験でもセンスや才能がある人というのはいます。

クラスでも未経験なのにコーディングがめちゃめちゃ早い!うまい!センスがある!という3拍子揃った人もいました。(クラスでもトップ3に入るほど)
本当に才能とか天職ってあるんですね。(でも彼女はコーディングは好きではないらしい)

やっぱり好きじゃないとやっていけない?

私がコース選びに失敗したのは「そこまで好きでも自信があるわけでもない」分野と知っていながら足を踏み入れてしまったこと。さらにコードという私とは正反対、もう宇宙の端まで行くくらい合わないものをやってしまったのでその業界での就職はお空に飛んでいってしまいました。

「グラフィックなら経験あるし、いけるんじゃない?」と思いきや、大きな会社でコピーライターがいる、もしくは専門部でキャッチやコピーもすべて用意している場合以外、コピー作成、校正、ニュースレターなどが入ることがほぼ。その中にWebデザイン、中にはWebサイトのセキュリティまで。。。もう何でも屋じゃん!英語力。。。めっちゃ必要。。。コードの知識も。。必要。。

クラスで才能ある人たちのデザインを見てきたのでさらに「いや私のデザインなんて。。」と自信喪失。先生やクラスメイトに褒められることが多少あってもすごいデザインを目の当たりにしちゃうと自分のデザインの平凡さが浮き立ってしまう。

結局今現在私が就職活動している分野は「事務」。人と接するのが好き。人のサポートをするのが好き。いろいろなことをするのが好き。日本でも事務の経験が少しあるのと、幸い卒業後に友人が自分で事業をしてそのお手伝いに事務方として入ったこともあり、完全方向転換!今の仕事はパートタイムなのでフルタイムを探してますが、苦戦中。。。事務も英語力大切だもんね。。。

意外と!?学歴社会のカナダ

Is education important?

「海外は実力主義!学歴も年齢も関係なーい!」は信じちゃいけない!

よく「海外は実力主義だから技術さえあれば学歴も年齢も関係ない!」というのを聞きませんか?

これを鵜呑みにしては危険です!

まったく嘘ではないけれど、多くの会社が学歴見ます!しかも専門分野も指定している会社も多いです。
グラフィックデザイナーや会計など技術的な職業はもちろん、一般事務でも専攻で何を学んだかを聞かれる場合も多いです。

下の画像はIndeed(求人ボード)のオフィスアシスタントの求人情報です。
しっかりQualifications(資格)の部分に「2年の専門学校でこの分野を学んだ人」となっています。

qualification
ca.Indeed.com

大卒者を希望している会社もあるし、インターンなどは物によっては30歳までとあるのもあります。Middle ageのカナダ人の人が「僕の年齢で転職するのは怖い」と言っていた人もいるくらいなので年齢も全く関係ないわけではありません。

ただ技術職の場合は技術があれば年齢をカバーできるのも事実。社会人経験がある方はその社会人経験でのスキルをアピールするのはとても有効。逆にマネージャー職などは若すぎるよりもある程度経験と年齢がある方が好まれる場合も。

転職で全くの未経験分野にいく方も皆無ではありません。どれだけ自分の持ってるスキルを活かせるかというのをアピールできるかが重要。ただ楽な道でないことは確かです。

大卒のカナダ人が就職できずにコミカレに行く場合も!?

衝撃だったカナダ人の友人の一言

「大学卒業したけど就職できなくてコミカレに入り直して専門分野を学び直した人は結構いるよ」

カナダ人の大卒者でも就職するのは大変なこと!

私のコミカレの教授たちも大学の後にコミカレに入った人は結構いました。それほど学歴と技術というのは就職に直結するとても大事なもの。
専門の知識と技術がどれほど大事なのかわかりますよね。

逆にカナダでは「この専門で大学出たのにもったいない」という人はあまり聞かない気がします。今まで出会った人も大学、大学院と音楽専攻で卒業後にコミカレに行き、プログラミング学んでプログラマーになった人や農業系の専門分野を大学で学んだ後に ウェブデザインを学んだ人(彼女は農業系の会社のウェブデザインを企画から担当し両方を活かしてるそうです)など大学で勉強した後に方向を変えた人も多いです。

でも留学生の場合お金が。。。。そんなに簡単に「もうちょっと勉強しよう!」なんて決められないですよね。

どうやって専門コースを選んだら良いの?

How to chose major

市場が求めているもの、自分がなりたいこと、そして得意なこと

先日見た就職面接のプロの方(イギリスの方)のLinkedInのコース。

幸せを感じられる仕事を選ぶために

  • Things you are good at(自分が得意なこと)
  • Things you enjoy(自分が楽しめること)
  • Things you get paid for(それでお金をもらえること)

「Find Your Dream Job: Interview Techniques and Resume Writing」By: Chris Croft LinkedIn

これはものすごく重要なこと。特に海外で大金を出して留学しているからなおさらよく考えなければいけないことだと思います。

なぜなら方向転換をするのにもお金と時間とビザという大きな問題がついて回るから。

留学生の場合、上記の内容プラス「経験」「英語力」そして「永住権に有利な職業」かが大事になります。

どうやって調べれば良いの??

そんなこと言ったってどうやったら見つけられるの??という方に。

①その分野が好き?勉強も苦にならない?

やってみないとわからないってこと多いですよね。未経験から始める場合は特に想像と実際にやるのでは大違い!まずはネットで無料のお試しが経験できるものはやってみましょう!(ソフトなど)そしてmeet upなどでその業界のグループに入って話を聞いてみましょう!今はzoom で集まって話をしたりするグループも多いです。実際に業界で働いている人の話は超貴重!どうしてその職業を選んだのか、何がよくて何が辛いかなど両面を調べられるといいですね。

その作業をしている時、勉強している時に「楽しい!」と思えるものを探してみましょう。経験があってもどんな分野も日進月歩。新しいソフトが導入されていたり、新たな技術が必要になることはどの業界でもあります。

私の友人は日本で経理を長くやっていて、カナダで経理のコースをコミカレで取りましたが経理で就職はできませんでした。
私が思うに彼女はパソコンがそれほど得意ではなくソフトもあまり使いこなせなかったことは大きかったのではと思います。経理系の募集を見てもExcelなどが得意なのはもちろん、メジャーな経理ソフト経験者が求められることが多いです。

②人よりちょっとできる/得意

いくら好きでも向いているか向いていないかは別問題。趣味ならどんなに時間をかけても、自分だけの満足度で完全ではなくてもいいけれど、仕事となったら話は別です。

「好き」な分野で作業が早い、得意と感じたらラッキー!それは「天職」かもしれません!

作業が早いか得意かどうかは人と比べてみないとわからないもの。他人の評価も大事です。周りの人にも「こんなことしたいんだけど、どう思う?」と意見を聞いてみましょう。性格や普段の行動からもその分野に繋がることを見出してもらえるかも(計算が早い、デザインセンスがいい、社交性が高いなど)。

③まずはIndeedなどの求人ボードで行きたい街でどんな求人があるか、条件などを見てみましょう!

職業もその土地によって傾向が変わります。自分が留学したい土地でどんな職種が多いのか、どんな条件で募集されているのかを把握してみましょう。そうすると自分に足りないもの。自分ができそうかどうかが見えてきます。

Qualificationは8割以上あるものを探そう!

「資格」の部分を見ると「こんな人おるかい!」というのも見かけますが、就活エージェントの人に言われたのは「8割以上当てはまっているものに応募する」あまりに外れているものは出しても無駄。でもちょっとくらい足りなくてもカバーできる!会社は「ユニコーン」を探しているわけではなくそのポテンシャルがある人を募集している。

そして求人ボードを見ることでその分野でどのくらいの収入になるのかも目安になります。やっぱり生活するにはお金も大事。どのくらいの収入ならこんな感じの生活になるかな?初めが低くても将来的にはこうなれるかな?(マネージャーなど)という将来設計が立てられるのも大切ですね。

④経験やスキルがある

そしてもし「経験」があればさらにラッキー!留学先はもちろん日本語じゃありません。第二言語で全く新しい分野を学ぶのは本当に大変です。少しでも経験や知識がある分野での留学は今までの知識と経験がさらにパワーアップするし、新しい単語でも想像がつきやすいので超おすすめです。

カナダではカナダ国内の経験を重視されますが、日本での経験も「無」ではありません。日本で経験があるものを学んで学歴&経験をアピールできるのは強いです。

ボランティアなどの機会があれば率先して体験してみましょう!カナダでは特にボランティアでいろいろな職種を募集しています。

④どのくらい英語力が必要か

なんと言っても英語力。自分がなりたい職業にどのくらい英語力が必要か、そこまで高くなくても平気か。話す、書く、聞く、読むの中で何が重要か。英語力は高いに越したことはありませんが、英語力がそこまで高くなくても就職できる職業もあります。

それが技術職!

私の韓国人友達はトロントでドッグトリマーをしていますが、彼女の英語力はそれほど高くありませんが技術があり、人より早く仕上げることができるため通常の倍稼ぎます。(ドッグトリマーはトロントでは人手不足)

ブラジル人の友人は母国では化学の教師を長年やっていて、カナダに来てから趣味のお料理を仕事にしたい!とキッチンで働き出しました。彼の英語力もそこまで高くありませんが大学の寮の厨房で働いています。(現在アシスタント付きのクックに昇格)

友達の友達はWebデザインのコースを卒業し、就職先が見つからず、見切りをつけて未経験からのキッチンで働きながら見習い修行1年後に寿司シェフに。

英語がそこまで好きではない、実は苦手、できれば英語力を重視されずになんとか就職したいという方は技術職を目指すのも一つの手です。

⑤永住権を申請できる職業かどうか

キッチン系の職業はPR(永住権)に申請しやすい職業の一つです。
しかしドッグトリマーはNOCのランクC。ですがほとんどの職業でマネージャー職であればNOCのBランクになるので、時間をかけてそこを目指すのもありかもしれません。(2022年10月現在)

職業ランクを調べていると意外な職業が上位だったりもします。永住権を狙っている方、まさかこの職業がBランク!なんてこともあります。ぜひぜひ一度覗いてみることをお勧めします。

このサイトから職業ランクを調べることができます。
National Occupational Classification

※2022年11月16日より2016バージョンから2021バージョンに変更になりABCランクからTEERランクに変更になります。調べる際は「NOC 2021 version」を選択しましょう。

NOC 2021 categories
National Occupational Classification 2021

まとめ

もちろん「まずは銭じゃ〜」「永住権第一だから自分の好き嫌いは問わない!」という現実思考の方もいらっしゃると思います。私が話を聞いたカナダの現役エンジニアの方は「コードは本当に辛いし、何度も挫折しそうになるけど仲間がいるから頑張れる」という方も。

ただその仕事が好き、そして人よりちょっと得意というのを職業にしている方が精神的ストレスは低いし、楽しく仕事ができますよね!

大金と時間をかけての大チャレンジ!
そのチャレンジを大成功に導くためにも留学の専門選びは慎重に!
みなさんの未来が輝く一番良い選考を選べて、そして現地就職につながりますように。