アメリカの黒人差別反対運動抗議デモ!カナダも他人事じゃない!
アメリカの黒人差別反対運動。カナダでも抗議運動が行われた!
アメリカの黒人差別反対運動。お隣の国、カナダも他人事ではありません。連日ニュースで報道されています。
日本にいて自分が人種差別に合うこと、身近に感じることはあまりないかもしれません。
どうしてこんなに大規模になったのか、どうして差別が起こるのか、アメリカではセサミストリートとの特別番組も放送。
大人だけでなく子供にも大きな関心となっている人種差別問題。カナダではどうなのかをニュースの内容と合わせてレポートします。
※私の個人的な見解が含まれます
とても複雑で難しい人種差別問題と今回のデモ運動
人種差別のデモはなんで起きてるの?
どんな事件だったの?
2020年5月25日にアメリカのミネアポリスで偽造通貨使用の疑いで拘束されたアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが警察によって亡くなった事件。
これを発端にアメリカでは大規模なプロテストによる抗議デモがアメリカ中で行われました。
そしてその規模はどんどん大きくなり、カナダも含めた世界各国で抗議デモが行われていました。2週間経って徐々にカナダのニュースもフロイドさんの事件とコロナウィルス 以外の事も放送するようになってきましたがまだまだ影響力は大きいです。
アメリカでは先日CNNとセサミストリートのスペシャル番組もありました。
世界に広がる抗議デモ!人種差別についてセサミストリートと一緒に考えてみよう!
どんな抗議デモがあったの?
Photo by Julian Wan on Unsplash
略奪や破壊行為を行う人たち、警察による暴力の鎮圧。不当な暴力の横行。
平和的な行進、ダンスでの抗議、膝をつきお互いを尊重し合う警察とプロテストたち。
破壊行為をするプロテストや過激派、破壊行為を止めるプロテストたち。
警察や兵士がプロテストの話を聞く姿。警察官をハグするプロテスト。
プロテストと一緒に行進する警察官。
警察隊から逸れた警官を暴徒化した人から守る黒人プロテストたち。
黒人プロテストに危害が加えられないようにその前に立ちはだかる白人女性たち。
そのどれもが同時に起こっていて、どちらも本当のこと。
どちらも本当だからこそ、この問題の難しさを表しています。
「警察 対 黒人」ではなく、人種の差を超えて、立場を超えて「黒人差別について変えていこう」と多くの人が立ち上がっている印象を受けます。
どれほどの人たちがデモに参加したかはNew York Timesの写真をご覧ください。
New York Times 2020/6/7 George Floyd Protest
どうしてBlack Lives Matterなの?どんな人も大切でしょ?
Photo by Gabe Pierce on Unsplash
もちろんどんな人の命も大切です。
でも何もしていないのに不当逮捕されるかもしれない。
もしかしたら疑われて射殺されるかもしれない。
もしかしたら自分のものなのに盗んだと思われてそのまま捕まるかもしれない。
そんな風に過ごすことはありますか?警察に声をかけられるだけで恐怖を覚える。
そして誤認逮捕だとしてもきちんといた捜査もされず、不当に重い刑を言い渡されたら。。
もちろん多くの警察はそうでないと思いますが、事件が起こるたびに黒人の人たちは自分たちの命が脅かされている事実と向き合わなければならないんです。
ある黒人女性がインタビューで「私はフロイド氏を知らないけれど、彼の中に私の兄を見るし、私の父を見るし、私の子供を見る。」と言っていました。
これはどの黒人の人も「明日は自分かもしれない」「自分の家族がそうなるかもしれない」というとても他人事ではないことなんです。
18歳のアフリカ系アメリカ人の少年が投稿した動画「Unwritten rules/暗黙のルール」
なんと1000万回も再生されニュースにもなりました。
彼は母親からこれを教えられ、11歳ですべて覚えたそうです。
@skoodupcam Jus some unwritten rules my mom makes me follow as a young black man #fyp #blacklivesmatter
- Don’t put your hands in your pockets ポケットに手を入れてはいけない
- Don’t put your hoody on フードをかぶってはいけない
- Don’t be outside with no shirt on 上半身裸で外に出て履けない
- Check in with your people it don’t matter even if you down the street たとえ道で会った人でも、一緒にいる人がどんな人か確かめなさい
- Don’t be out too late 夜遅くまで外にいない
- Don’t touch anything you’re not buying 買わないものは触らない
- Never leave the store without a receipt or a bag even if it’s just a pack of gum ガム一つでもレシートやバックなしでお店を出ない
- Never make it look like there is an altercation between you and someone else 誰かと口論しているように見せてはいけない
- Never leave the house without your ID 身分証明書を持たずに家を出てはいけない
- Don’t drive with a wife beater on 白いタンクトップで運転してはいけない
- Don’t drive with a durag on. 頭に布を巻いてドライブしてはいけない
- Don’t go out in public with neither. 白いタンクトップも頭の布も、どちらの格好でも外に出てはいけない
- Don’t ride with the music too loud. 大きな音楽をかけて運転してはいけない
- Don’t stare at a caucasian woman. 白人女性をじっと見てはいけない
- If a cop stops you randomly and starts questioning you, don’t talk back. Just compromise. 警察に止められて質問されたら、反論してはいけない。ただ協力的にしなさい
- If you ever get pulled over, hands on the dashboard and ask could you get your license and registration? 警察に車を止められたら、手をダッシュボードの上に置いて免許証と登録証をだしてもいいか聞きなさい
※ wife beater:白いタンクトップ のスラング、durag:頭に巻くスカーフのような布
他の人種でも差別を受けることはもちろんあるし、他の人種差別を軽く見ているわけじゃないんです。
でもここまでの不当な扱いを受けるのはやはり黒人の比率が圧倒的に多い。
だからまずはここをきちんと正して行こう!というのがBlack Lives Matter。
でも犯罪を犯すほうがいけないんでしょ?
もちろん犯罪はいけません!
でも今回のように「偽造通貨の使用の疑い」で公開処刑のようにされるのは本当に正しいこと?
罪を犯したのならば、きちんと捜査されるべきだし、きちんと裁判で罪の重さが決められ、罪を償うべきですよね。
また、人間なのでどうしても間違いは起こります。誤報や誤認逮捕もあります。
本当に罪を犯していたのか、間違いがないのか、どうしてそうなったのか、どうするべきなのかを調べることは他の犯罪を防ぐ上でも重要なことですよね。
そして差別による就職難や教育の機会が失われたり奪われたり、いじめ問題など、とても複雑で根深い問題。
特に法のもとにおいては全ての人が平等であるべきだし、その権利があるはずですよね。
なぜ今回のデモは今までと違うの?
カナダのCTVニュースでゲストに呼ばれたアフリカ系カナダ人の専門家の男性が「今回のデモが今までと明らかに違うのは白人の参加率が非常に高いことだ。」と言っていました。
(なんの専門家かきちんとチェックしてませんでした。すみません。。)
アメリカの法律事務所ドラマ「The Good Fight」でも人種問題が取り上げられる回が以前ありました。
「The Good Wife」の続編ドラマになります。現在Amazon Prime Videoで視聴することができます。
The Good Fight Season 3 Trailer | Rotten Tomatoes TV Posted by Rotten Tomatoes TV
シリーズ3第4話の中で人種差別問題が話題になり、今まであった警察により射殺された黒人の事件が話題にのぼる中でのルカのセリフ。
Do you all notice that the black people here know the name of victims of police shootings, but others don’t?
警察によって射殺された黒人被害者の名前を覚えているのは黒人だけで他の人は覚えていないのに気づいてますか?
事件のことは覚えていても被害者の名前を覚えているのは黒人だけ。
どこかで「黒人の問題」で他の人種の人たちは不幸な事件の一つとしか捉えていなかったのかもしれません。
それが今回の事件では世界中で抗議デモが起き、白人率がとても高い地域でもデモが起こっていた!
白人だけではなく、アジア人、ラテン系など多くの人がこの抗議デモに参加していることが「今回のデモで本当に変わるかもしれない」と思わせているのかもしれませんね。
カナダの人種差別問題はどうなってるの?
カナダでも大きな話題に!他人事ではない差別問題
カナダも抗議デモがあったの?
カナダでも抗議デモが各地でありました。
基本的に平和な行進が行われていたのですが、残念ながら一部の人が略奪行為に走り、警察が画像を公開しています。
主催者側もそんなことが二度と起きないように時間を早めたりと工夫を凝らし、ほとんどは平和的なデモでした。
私の住んでいるオンタリオ州のロンドンでも大規模なデモが行われました。
‘We will no longer be silent’: London Black Lives Matter protest sees thousands rally
オタワで行われたデモにはなんとカナダのトルドー首相も膝をつき参加!
JUST IN: Canadian Prime Minister Justin Trudeau took a knee during a rally in Ottawa over the death of George Floyd while in police custody. https://t.co/hjttc7atSc pic.twitter.com/n8vWEHU9dc
— ABC News (@ABC) June 5, 2020
カナダでも人種差別はあるの?
カナダは移民を多く受け入れて、コロナウィルス でアジア人が差別にあった時にもトルドー首相が「恐れや誤った情報からの差別がこの国であってはならない!」と明言していますね。
Prime Minister Justin Trudeau condemns racism over coronavirus in Canada Posted by CTV News
それでもカナダでも黒人差別による不当逮捕や冤罪が残念ながら起きています。
私も今回調べたり、ニュースを見てとても驚きました。。。
人種によって就職に差別があること(苗字の差で就職の優位性が違った)は以前聞いたことがあるのですが、警察による不当な差別にとてもショックを受けました。
もちろん本当に一部の警察官であるだろうし、一部でも起こってはいけないことですが。
とても悲しい現実です。
私自身は差別的なことを言われたり感じたことはカナダではありません。
ただクラスメートで頭にターバンを巻いているインド人が通りすがりのカナダ人らしき白人女性から「シーク!」と目の前で叫ばれたことはありました。
「シーク」というのは宗教のことで悪い言葉ではありませんが、顔を突き出して目の前で叫ぶのは侮辱的なことですよね。しかも宗教はとても大事な神聖なもの。
本当に他の国にいた時よりもずっと差別を感じることは少ないですが、全くないわけではありません。
カナダの警察の対応は?
現在カナダの警察官にボディカメラを装着する動きが進んでいます。
すでに一部の地域では始まっていて、警察官が小さなカメラを装着して常に録画することによって実際に何があったのかがわかるというもの。
もちろん警察官の不当な対応だけでなく、事件の捜査にも役に立ち、逆に訴えられた時にも正当性を証明できるというもの。
ただ常に録画されていると言う事に警察側も市民側にも賛否両論あるものです。
そしてお金がとてもかかります。。
FEATURE: A day in the life of Toronto police and body-worn cameras Posted by CBC News
まとめ
人種差別問題は国によっても形を変えるし、とても複雑な問題なので立場や時代や経験によって捉え方が大きく変わると思います。
でも基本的な人権や法のもとの平等というのはどんな人にも当たり前にあるべきこと。
今回の事件は本当にひどい事件で二度と怒るべきではないですが、そういう当たり前のはずの世界に近づく大きなきっかけになると信じたいですね。
最後にこの動画がとても話題になってテレビショーにも呼ばれるほどの仲良しの2人のほっこり映像をどうぞ。
These toddlers’ heartwarming reaction to spotting each other on the street will make your day Posted by ABC News
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